世界に発信された政府と国民の声―国連前での佐藤さん等の活動から
■テレビでは野田首相の国連演説の場面が紹介され解説も流れている。
また新聞等には発言が詳かく報じられている。
あるテレビを見ていたら各国のメディアは異常と言っていいほど関心を示さなかったと解説していた。
要するに無視されたというのである。福島の原発事故や大震災に注目が集まるはずなのにこれはどうしたことだったのだろうと頭を傾げざるを得ない。
野田の発言は「原子力安全ハイレベル会合」「一般討論演説」の2回に渡ってなされた。
詳細は省くが「原発輸出を継続し、原発の安全性を高め存続する」等の官僚的な作文を読み上げただけと言える。
官邸かわら版では自画自賛しているが、原発震災に対するリアルな報告もなければ、今後をめぐる苦悩も伝わっては来ない。
野田首相の生のというか、内心の声は何処にも見えないのである。
自分で感じ考え抜いたところは見えないのだから、各国のメディアといえ失望し、無視したのは当然である。
これが日本国政府の声というのは恥ずかしい限りである。
野田発言とは違って「放射能から子供を守る福島ネットワーク」の佐藤幸子さんらは国連前等で福島現地の状況を伝える活動を行ってきた。
これは政府の声ではなく国民の声であるが、野田発言とは違ってメディアも含め多くの人たちが耳を傾け発言に関心を示したという。
政府の声より国民の声である。
■9月25日の夕方から佐藤さんたちの帰国第一報の記者会見が経産省テント前でなされた。彼女らは9月18日~24日まで国連前を中心に福島の現状を訴えてきた。
福島第一原発の未だ収束に至らない現状や放射能汚染の実情はよく伝わっていないというのが最初に感じたことだと佐藤さんは述べていた。
福島の原発事故は終息しているようにすら受け取っているのではという印象だったらしい。
その意味で佐藤さん達の報告は原発震災の現状を伝える生々しいものとして驚きを持って迎えられた。
特に放射能汚染をめぐる子供たちの現状と守る会の活動などは衝撃を持って受け止められたようである。
報道管制というのはいろいろの形態があるが故意に伝えないというのはアメリカでも浸透しているようだ。
民主党政権は反原発の声を抑え込み推進のために、電力会社の安全パンフレットを党員に対して三回にわたり配布している。
これがパンフを示して紹介された。
アメリカでは最近の原発事故の発生などもあり、反原発の運動の高まりが見えているとのことであり、反原発運動家たちとの交流も出来たと語っていた。
佐藤さんたちは今後、この経産省前での活動も展開すると述べてもいたが、とてもいい話である。
(文責 三上治)
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