2011年7月1日金曜日

第9次東北地方支援トラック隊・遠征報告(補足)塩見孝也

承前
●「リゾート・イン・磐梯」は、重被災地域の人々が避難しています。浪江町の人々、
南相馬の人々、各地の人々で構成されています。大部分が浪江町の人々のようでした。
こういった、避難場所が、福島県にいくつもあるようです。もちろん、他県にもですが
。今は、仮設住宅も出来つつあり、個人として住居をあつらえる人々も居て、170人
くらいになっているとのことです。
 7月に、仮設住宅に移動し、11月には、ホテルのスキー客業務が再開され、閉鎖さ
れるとのことです。 ここで、夏みかんを降ろしました。
親睦・交流の座談会を二度ほど持ちました。沢山の人々がやってくる具合ではありま
せんでした。しかし、報告で述べました原発労働をやっていたOさんや「保険証を再交
付してほしい」「一時帰宅した後、仮設住宅に入りたい。」とおっしゃった老婦人と出
会いました。
 Oさんは、原発批判、否定路線で首尾一貫した方で、これまでの経験を活かして、今
度は労働者としての権利を正々堂々と主張しつつ、もう一度原発労働に応募しても良い
、とすら漏らされていました。  
 喫煙所が、思わぬ社交場になったことは前回、話しましたが、アルミ片を計測器に巻
きつけた原発労働の話らもここで聞きました。この件ではサブロウさんの以下の証言が
あります。
 「それは線量計にアルミ箔を巻いてαやβを検地させないようにする、という小細工
を日ごろからしている、という内容告発のことです。それから外国人労働者が多数働い
ていたこと、黒人の労働者には炉内の水中作業を素潜りでさせていたこと、放管(放射
線管理)手帳を取り上げられて返却されず、ホールボディカウンターなど被曝検査を受
けられない、など、聴けば聴くほど原発労働の暗黒部分に身震いしました。今晩纏めて
書き出します。 こういうことを暗黙のもとに指示するのは監督者である東電社員=東
電労組組合員です。 電力総連、東電労組は人民に死を強制する敵階級であると見なさ
ざるを得ません。」。
 又林業を正業として、一時原発労働をしていた壮年の人からは正業に投資していた計
画がこの事件で破綻し、東電や国の一時補償金、補償金や義捐金のやりくりでどうやっ
て仕事、生活を再建するか、の苦しい、台所事情も伺いました。又Wさんからは、「私
も東電や政府の安全神話については怒りを感じますが、原発廃止といわれますが、福島
県では、原発経済のしがらみが十重八十重に絡んでおり、これを一挙に廃止することは
出来ない。当面、東電、政府に安全性を保証させ、原発を存続させる方向しかないので
はないか。」という本音も聞きました。 
 彼女は原発労働力の派遣の仕事をしていて、Oさんとは反対の建前、意見を持つ方と
いえますが、そうとはいえ、この事件の彼女のメンタルな面に及ぼしていた影響は、計
り知れなく、その本音をそのまま今後彼女が実行して行くか否かははっきりとは見て取
れませんでした。現在の原発危機、放射能被害へも不安、脱原発、反原発への想いを僕
は感じました。変わって欲しいものです。
●目下の急務は、以下の認識、運動が示唆している事柄ではないでしょうか。放射線の
内部被曝のことです。
 「子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク」、「福島老朽原発を考える 会(
フクロウの会)」、「国際環境NGO FoE Japan」、「グリーン・アクション」、「美浜
・大飯・高浜原発に反対する大阪の会(美浜の会)」、「国際環境NGO グリーンピース
・ジャパン」の方々は、6月30日は、対政府交渉をされ、7月5日には【「避難の権
利」集会 in 福島】『自主避難に求められる補償と行政支援 〜「避難の権利」確立に
向けて 』の集会を持ちます。
http://www.foejapan.org/energy/news/evt_110705.html
◆日時:7月5日(火)18:30〜20:30
◆場所:福島県青少年会館
福島県福島市黒岩字田部屋53番5号
TEL 024-546-8311 FAX 024-546-8311
http://www.fukushima-youth.com/access.html )

「避難をしたくてもできない」「子どもたちを守るために、本当は避難 したいのだけ
ど、自主避難は、経済的に不安」・・・。
福島にはそんな人たちがたくさんいます。避難を阻んでいる大きな理由の一つが、「自
主」避難のむずかしさや限界にあります。自主避難では、補償や行政的なサポートが得
られる保証がなく、社会的な認知も進んでいない のが現状です。 いま、住民の「避難
の権利」(=すなわち自らの被ばくのリスクを知る 権利や、自主避難した場合に補償
等が受けられる権利)を確立していくために、 政府とのさまざまな交渉に加え、東電
への賠償請求や権利確立のための法的な手段も検討されています。 」
●「市民会議」「阻止の会」は、福島での6月下旬行動についての報告集会を7月上旬
にやるべきではないでしょうか。

 ※なお報告で二つの書き間違いがありました。お詫びいたします。
一つは、福島県の人口について、205万人前後(2008年)を間違って書いていた
こと。二つは二本松市や郡山市を「中通り」なのに「浜通り」と書いていたことです

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